10月17日ホテルステイの日
9時
生理につき眠い。だるさを吹き飛ばすために「イケイケ所得倍増計画池田勇人」と絶対誰も聞いてないだろ、なんて思いながら小声ボソッとつぶやいたら生徒にちゃんとキャッチされる。
男子生徒なんて爆笑しすぎてカーテンに顔をうずめる始末。
「先生、コイツ笑ってますよ」
「先生、もう一回言ってもらっていいですか」
と構われてしまう。
なるほど。スベり芸ってこういうことか。
12時
もうひとクラスは選択教室。席替えから1ヶ月も経ってないのに「また席替えがしたい」と訴えられる。
一部の要望を押し通せるのはそれなりの理由が無いとまかり通らない。いちいちそれを通してたらキリが無い。「ちゃんとした理由がある?」と聞いたら黙り。
しかしなぜ週の最後の授業でこんな想いをしなければならないのか。
お友達同士が近くなるとしゃべってうるさいからあえて定期的に席替えしているのに、自分たちの都合が悪いだけでわがままを押し通そうとするのに呆れた。
そもそもあなたたち今の席でもおしゃべりしてるだろとツッコミを入れたくなった。
そういえば前の学校でも日本史選択制だったが、基本は他の授業と同じ席にしてもらったたけど勝手に移動しても認めていたな。
友達同士座ってもうるさいことは無かったので席替えしようなんて考えてなかった。
進学校だからというのもあるが。
自由は自らの振る舞いによって得るものだなとつくづく思った。
そして私のことを「わがままを聞いてくれる先生」としか思ってないんだなと悟った。相手が女子だと毅然とした対応をしすぎると徒党を組んで反抗する。
本当に教室って空間の同調圧力はややこしい。めんどくさい。
担任に相談しようとするも、頼りにはなるのだが指導が悪い方向に行かないか悩む。
正直「妨害しない程度ならご自由にどうぞ」という想いしか無い。それすら出来ないからそれなりの措置を取っているだけである。講師だから割り切ろう。
とはいえ1日90分も顔を合わせるわけだから、このまま反抗的な態度を取られると気まずいな。
ベテラン講師の先生に相談すると、その先生の話をされ、学校批判の話になり、(とはいえ気持ちはわかる。3年生が授業が聞かないのはその先生だってカリキュラムのせいってわかってる)他のおじさん先生まで話に巻き込んじゃって(今知らない人と話す気力はない)、おじさん先生なんか私に話してるし、ようやくアドバイスまでたどり着いた。「若いと言われやすいんだよね。淡々と対応するしか無いよ」とのこと。納得。
私の仕事は講師がゆえに授業をするのみである。工夫はするが生徒に迎合しすぎて疲弊するのはすり減るだけだ。
16時
すり減りながらも最大限のことはやろう、と授業準備。
18時
友人とその娘とホテルステイ。テーブルを囲んで出前寿司やデパ地下グルメでパーティー。
ゆとりのある部屋、人との食事。これをするだけでスマホに頼らず落ち着く。
友人たちは山梨バスツアーの帰りなのでお土産にワイン缶をいただく。甘くて焼き鳥に合う。
スマホをほぼいじらずソファーでのんびりテレビを観ながら語らう。